こんにちは。ボイストレーニング&ダンスNAYUTAS宇都宮校です。
「声を伸ばしている途中で揺れる」
「最後になると音程が下がる」
「息が続かなくて語尾が短くなる」
ロングトーンが安定しないと、「肺活量が足りないのかな」と考える方もいます。
ただし、原因は息の量だけとは限りません。
音程の維持、音量、息の配分、母音、喉や首の力みなどが重なっている場合があります。
今回は、ロングトーンが安定しないときに確認したいポイントと、自宅で試せる3つの練習を紹介します。
ロングトーンとは?
ロングトーンは、一つの音を一定時間伸ばす発声練習です。
音声分野では、持続発声や最長発声持続時間(MPT:Maximum Phonation Time)が発声機能の評価や訓練研究でも使われています。
ただし、ボイストレーニングでは、
「何秒伸ばせたか」だけを競う必要はありません。
確認したいのは、
・途中で音程が下がらないか
・音量が急に変わらないか
・最後だけ苦しくならないか
・喉や首に余計な力が入らないか
です。
ロングトーンが安定しない主な原因
1. 最初に息を使いすぎている
声を長く伸ばそうとして、出だしで息を多く使いすぎると、後半で苦しくなることがあります。
「長く伸ばすぞ」と勢いよく始めるのではなく、最初から最後まで無理なく続けられる音量を探します。
2. 音程を保とうとして力んでいる
音程が下がらないように意識するあまり、顎や首、喉に力が入るケースもあります。
高い音ほど大きく出す必要はありません。
まずは自分が楽に出せる高さで練習してください。
高音になると力みやすい方はこちらの記事も参考にしてください。
音程そのものが不安定な方は、こちらの記事も参考にしてください。
音程が取れない原因は「音感」ではありません
3. 語尾まで同じ状態を保てていない
最初は安定していても、最後の1〜2秒で、
・音程が下がる
・急に声が小さくなる
・息だけになる
ことがあります。
NAYUTAS宇都宮校では、88〜89点で止まっていた30代男性について、ロングトーン途中の音程低下や語尾の短さを確認し、そこを重点的に練習した実例があります。
カラオケで90点が出ない人へ|音程より先に見直したい“語尾”と“安定感”
カラオケ採点全体で「どこで点数を落としているか」を確認したい方はこちらも参考にしてください。
自宅でできる3つのロングトーン練習
1. まず5秒程度を安定させる
自分が楽に出せる高さで、「アー」または「ウー」と声を伸ばします。
最初から10秒、20秒を目標にする必要はありません。
まずは短めの時間で、
・音程
・音量
・喉の楽さ
が途中で変わっていないか確認します。
5秒が安定したら、無理のない範囲で少しずつ伸ばしてみてください。
2. スマートフォンで録音する
自分では一定に出しているつもりでも、録音すると、
「最後だけ音が下がっている」
「途中で急に声が大きくなっている」
と気づくことがあります。
録音では、
最初・中間・最後
の3か所を聞き比べます。
一度に全部直すのではなく、「今日は最後の音程だけ」のように確認項目を一つに絞りましょう。
短時間の自宅練習についてはこちらの記事でも紹介しています。
3. 実際の曲の語尾で練習する
単音のロングトーンが安定してきたら、実際の曲へ戻します。
好きな曲から、
・サビの最後
・長く伸ばす母音
・語尾で音程が下がりやすい部分
を1か所選んでください。
「アー」では安定していても、歌詞になると母音や子音が加わり、同じように伸ばせないことがあります。
発声練習と実際の歌の両方で確認することが大切です。
「何秒伸ばせれば合格?」と考えなくていい
発声持続時間は音声機能を確認する指標の一つですが、歌のロングトーンに「全員○秒なら合格」という基準を当てはめる必要はありません。
古川怜奈ほかの研究では、健常成人女性29名を対象に、持続発声群・胸声群・頭声群に分けて10日間の訓練を行っています。
その結果、胸声の高さで練習した群では、最長発声持続時間の延長、生理的声域の拡大、声の揺れに関する指標であるAPQの低下が確認されました。
ただし、この研究から「歌では○秒伸ばせばよい」と決めることはできません。
どの高さで、どのような状態で発声するかも重要だと考え、自分の曲に必要な時間を安定して歌えることを優先しましょう。
ロングトーン練習で避けたいこと
苦しくなるまで毎回伸ばす
毎回限界まで続ける必要はありません。
最後に喉を締めて無理に1秒伸ばすより、短くても楽に終えられる状態を確認してください。
音量を必要以上に大きくする
大きな声ほど良い練習になるわけではありません。
まずは無理なく維持できる音量から始めます。
声がかすれているのに続ける
練習中に痛みがある、声がれが強くなる、普段の話し声にも違和感が続く場合は中止してください。
歌った後の声枯れや疲れが気になる方には、宇都宮校の実例記事もあります。
3曲で喉が疲れていた30代女性が、1時間カラオケを楽しめるようになるまで
声がれや痛みが続く場合は、ボイストレーニングだけで判断せず、耳鼻咽喉科への相談を検討してください。
NAYUTAS宇都宮校では「何秒」より「どこで崩れるか」を確認します
NAYUTAS宇都宮校では完全マンツーマンで、
・出だしで息を使いすぎていないか
・途中で音程が下がらないか
・音量が急に変わらないか
・語尾で力んでいないか
・実際の曲でも同じ状態を保てるか
などを確認します。
ロングトーンだけを単独で長く練習するのではなく、実際に歌いたい曲のフレーズへつなげていきます。
よくある質問
Q. ロングトーンは何秒できればいいですか?
一律の秒数を目標にする必要はありません。まずは短い時間でも、音程・音量・発声が安定していることを優先してください。
Q. 息が続かないのは肺活量不足ですか?
肺活量だけが原因とは限りません。出だしで息を使いすぎている、音量が大きすぎる、喉に力が入っているなど、息の使い方も確認する必要があります。
Q. 毎日ロングトーンをやった方がいいですか?
毎日行うこと自体が必須ではありません。喉の状態を確認しながら、無理のない範囲で行ってください。
Q. ロングトーンはカラオケ採点にも役立ちますか?
ロングトーンや語尾の安定を確認する練習はできますが、カラオケ採点は機種によって評価項目が異なります。点数だけを目的にせず、歌声の安定を確認する練習として活用するのがおすすめです。
公開日:2023年8月15日
最終更新日:2026年9月18日
参考文献
参考:古川怜奈、田口亜紀、城本修「VFE短縮版における訓練効果の検討」『音声言語医学』62巻2号、2021年、108-115頁
https://doi.org/10.5112/jjlp.62.108
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/62/2/62_108/_article/-char/ja/
最終アクセス:2026年9月17日
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