こんにちは!ナユタス堺東校です😊
今回考察するのは、クリープハイプの『23、24』。
TBS「news23」のエンディングテーマとして書き下ろされた楽曲です。
タイトルになっている「23」と「24」。
23時は一日が終わろうとしている時間であり、
24時はその終わりと次の日がつながる瞬間です。
この曲では、そんな一日の境目に立ちながら
答えの出なかった今日を抱えたまま、
それでも明日へ進もうとする姿が描かれているように感じます。
そして特に印象的なのが、
「あれは0じゃない24」
という言葉。
なぜ、新しい一日の始まりを「0」ではなく「24」と表現したのでしょうか。
歌詞を追いながら考えてみましょう。
「23時の角度」に首を傾げる
23時の角度に首を傾げて
何が正しい何がおかしいって探してる
一日の終わりに指を咥えて
何が嬉しい何が悲しいってただ見てるだけ
冒頭から登場する「23」。
面白いのが、23時という時間を「角度」として表現していることです。
時計の針が作る角度と、「分からない」と首を傾げる主人公の姿が重なります。
一日の終わりに、
「あれは正しかったのか」
「自分がおかしかったのか」
と考えている。
しかも分からないのは正しさだけではありません。
「何が嬉しい何が悲しい」と、自分自身の感情さえ見失いかけています。
さまざまな出来事や意見を目にしているうちに、
自分が本当はどう感じているのかまで分からなくなる。
「news23」のエンディングテーマという背景を考えると
一日の終わりにさまざまな出来事を見つめる人の姿とも重なって見えます。
「ズレている」のは自分なのか、世界なのか
いつもなんかズレててイライライライラする
明日の前にこぼした今日の残りカス指で払う
ここで繰り返されるのが、「ズレ」です。
自分と他人。
自分と世の中。
理想と現実。
何がズレているのかは、はっきりとは書かれていません。
だからこそ、「自分がおかしいのか、それとも周りがおかしいのか分からない」という居心地の悪さがあります。
そして、答えが出ないまま今日が終わっていく。
「今日の残りカス」をきれいに整理するのではなく、
「指で払う」という表現からも、完全に納得したわけではないことが伝わります。
解決していなくても、時間だけは明日へ進んでしまう。
そんな感覚なのでしょう。
誰かを悪者にできないから苦しい
ほらそうやっていつも首を傾げて
誰が良くて誰が悪いって比べてる
知ってるよそんなの誰でもなくて
全部自分の中にある だから苦しいんだろ
冒頭の「何が正しい何がおかしい」が、ここでは「誰が良くて誰が悪い」に変わります。
人は答えが分からないとき、
「この人が悪かった」
「自分は間違っていない」
と決めてしまえば、少し楽になれることがあります。
でも、この主人公はそうしません。
全部自分の中にある
と分かっているからです。
同じ出来事でも見る角度によって答えは変わるかもしれない。
自分の中にも矛盾や迷いがある。
だから簡単に誰かを悪者にして終わることができない。
この曲で描かれている苦しさは、答えがないこと以上に
「簡単な答えでは片づけられない」と分かっていることなのかもしれません。
「黒いくらい暗い」それでも未来
いつもなんかズレててイライライライラする
べつにどうでもいいけど黒いくらい暗いでも未来
この曲は、未来を明るく描きません。
むしろ、
「黒いくらい暗い」
と言っています。
何が起こるか分からない。
正解も分からない。
だから未来は暗い。
それでも最後に置かれている言葉は、「未来」です。
ここには「明日はきっと良くなる」という分かりやすい励ましはありません。
未来とは、希望があるから進める場所ではなく、
分からなくてもやってくるものとして描かれているように感じます。
「その角度で、その速度で」で意味が変わる
その角度でその速度でその気持ちで
わからないをわかるまで
ここで、冒頭に登場した「角度」がもう一度出てきます。
最初は「23時の角度」に首を傾げ、自分のズレに苛立っていました。
ところが最後は、
「その角度で」
と言います。
ズレていると思っていた自分の見方を、無理に誰かと同じにしなくてもいい。
さらに「その速度で」と続きます。
すぐに答えを出さなくてもいい。
他人と同じ速度で理解しなくてもいい。
自分の角度、自分の速度、自分の気持ちで「分からない」を考え続ければいい。
このあたりから、曲の景色が少しだけ変わってきます。
「0じゃない24」が意味するもの
目指して
あれは0じゃない24
目指して
この曲でもっとも印象的なのが、
「0じゃない24」
という表現です。
時計では23時59分を過ぎれば0時。
新しい一日の始まりです。
それなのに、この曲では「0」ではなく「24」と呼んでいます。
ここには、
今日までの自分をゼロにしない
という意味があるのではないでしょうか。
日付が変わったからといって、
今日感じた苛立ち。
答えが出なかった疑問。
上手くいかなかったこと。
迷ったこと。
それらが全部消えるわけではありません。
だから、
23 → 0
ではなく、
23 → 24。
新しい自分としてリセットするのではなく
今日までの自分を連れて、その続きを生きていく。
タイトルの『23、24』も、この連続性を表しているように感じます。
最後に残るのは「その気持ち」
その気持ちでわからないをわかるまで
曲の最後では「角度」や「速度」も消え、残るのは「その気持ち」です。
冒頭の主人公は、
ただ見てるだけ
でした。
ところが終盤では、
目指して
へ変わっています。
未来が明るくなったわけでも、答えが見つかったわけでもありません。
それでも、「分かりたい」という気持ちを持ったまま少しだけ前へ進もうとしている。
この小さな変化こそが、『23、24』に描かれた希望なのではないでしょうか。
まとめ|答えが出なくても、今日を0にはしない
クリープハイプ『23、24』は、一日の終わりに答えの出ないことを抱えながら、
それでも次の日へ進んでいく歌なのだと思います。
最初は「23時の角度」に首を傾げ、「いつもなんかズレてて」と苛立っていた主人公。
未来も「黒いくらい暗い」ままです。
それでも最後には、
その角度でその速度でその気持ちで
と、今までズレだと思っていた自分の角度や速度を抱えたまま進もうとします。
そして目指すのが、
「0じゃない24」。
今日を全部なかったことにして明日を始めるのではなく、
迷いや苛立ちも含めて今日の続きを生きていく。
だからこの曲は、
「分からなくても、分からないまま進んでいい」
と静かに伝えているのかもしれません。
歌うときも、最初から前向きで力強い声にするより、
冒頭では迷いや苛立ちを残しながら、最後の「目指して」に向かって
少しずつ声の方向を前へ変えていくと、歌詞の流れを表現しやすくなります。
NAYUTAS堺東校では、音程や高音だけでなく、
歌詞の意味に合わせた声色・強弱・息・語尾など、
「言葉をどう声で伝えるか」もマンツーマンで練習できます。
クリープハイプのように言葉が大きな魅力となっている楽曲だからこそ、
歌詞を自分なりに読み解き、それを歌声へ乗せてみるのもおすすめです😊
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