皆さん、こんにちは!
NAYUTAS(ナユタス)香川高松校です(^^)/
歌の練習をしていると、
「Aメロだけなら歌える」
「サビだけなら高音が出る」
「苦手なフレーズも、そこだけ練習すれば成功する」
ところが、最初から1曲通して歌ってみると、
「後半になると声が出にくい」
「最後のサビで高音が苦しくなる」
「練習したはずの場所で失敗してしまう」
ということはありませんか?
これは、部分練習が無駄だったということではありません。
短いフレーズを歌う力と、数分間にわたって1曲を安定して歌う力には、
少し違った要素が必要だからです。
今回は、部分練習では歌えるのに、1曲通すと崩れてしまう理由と、
自宅でも取り組める練習方法をご紹介します。
部分練習と通し練習では、求められるものが違う
苦手なフレーズだけを切り取って練習する「部分練習」は、
音程やリズム、歌詞、口の形などを細かく確認するために役立ちます。
一方、1曲を通して歌うときには、それに加えて、
・曲全体の声量配分
・ブレスの位置と深さ
・高音へ入る前の準備
・前半で生まれた力みの影響
・集中力の維持
・フレーズ同士のつながり
なども必要になります。
歌唱は、呼吸、発声、発音、音程、リズムなどを連続して
調整する複雑な運動です。
歌唱指導にも運動学習の考え方が活用されており、
細かい部分を覚えるだけでなく、
実際の流れの中で再現する練習が大切だと考えられています。
つまり、
部分練習は「その場所を歌えるようにする練習」
通し練習は「その場所まで良い状態でたどり着く練習」
と考えることができます。
1.前半から声を使いすぎていないか確認する
1曲を通すと後半で崩れる人は、前半から必要以上に
大きな声を出している場合があります。
特に注意したいのが、
「最初から上手に聴かせたい」
「サビに負けないように声を出したい」
「高音に備えて、早めに力を入れておきたい」
という意識です。
Aメロから全力に近い声で歌ってしまうと、後半に必要な余裕がなくなります。
また、大きな声を出そうとして首やあご、舌、肩などに力が入り続けると、
曲が進むにつれて発声が苦しくなることもあります。
自宅でできる「7割歌唱」
まずは、普段の70%程度の声量を意識して1曲歌ってみましょう。
小さく弱々しく歌うのではなく、
・言葉ははっきり発音する
・音程とリズムは丁寧に取る
・声量だけを少し抑える
・サビでも急に叫ばない
という方法です。
歌い終わったあとに余裕が残っているか、
最後のサビで声が出しやすくなったかを確認します。
最初から最後まで同じ強さで歌うのではなく、
曲の盛り上がりに合わせて声量を配分することがポイントです。
2.ブレスを「苦しくなってから」取っていないか
歌っている途中で息が足りなくなると、
次のブレスで慌てて空気を吸い込もうとします。
すると、
・肩が大きく上がる
・胸や喉が固まる
・歌い始めが強くなる
・次のフレーズでも息が足りなくなる
という流れが起こりやすくなります。
大切なのは、息が完全になくなってから吸うのではなく、
余裕のある段階で計画的にブレスを取ることです。
歌詞カードにブレス位置を書き込む
歌詞を用意し、息を吸う場所に「V」などの印をつけてみましょう。
最初は原曲の歌手と同じ場所にこだわらず、
自分が無理なく歌える位置を探します。
印をつけたら、次の順番で練習します。
1.歌詞をリズムに合わせて読む
2.印をつけた場所で息を吸う
3.小さめの声でメロディーをつける
4.最後に通常の声量で歌う
ブレス位置を決めるだけでなく、「どこまで息を使うか」を
事前に決めておくことも大切です。
なお、呼吸練習だけですべての発声問題が解決するわけではありません。
呼吸と声帯の振動、響き、発音を連携させて練習する必要があります。
3.1曲を3つの区間に分けて練習する
いきなり毎回フルコーラスを歌うと、
どの段階から崩れ始めたのか分かりにくくなります。
そこで、1曲を大きく3つに分けてみましょう。
例えば、
・前半:イントロ後から1番のサビまで
・中盤:2番から間奏前後まで
・後半:最後のサビから曲の終わりまで
という分け方です。
最初に、それぞれの区間を単独で歌います。
次に、
・前半+中盤
・中盤+後半
というように、区間同士をつなげます。
最後に1曲を通して歌います。
この方法のポイントは、単に短くすることではありません。
曲の途中から歌い始めても、良い状態をつくれるようにすることが目的です。
特に後半だけを単独で歌うときは、毎回元気な状態で歌えるため、
実際に1曲通したときより簡単に感じることがあります。
そのため、後半が歌えるようになったら、必ず中盤からつなげて確認しましょう。
4.苦手な音ではなく、その少し前から練習する
高音で失敗すると、その高音だけを何度も繰り返したくなります。
しかし、実際には高音そのものではなく、
・直前のフレーズで息を使いすぎた
・高音を意識して早くから喉を固めた
・直前の母音が発音しにくかった
・ブレスを取る位置が遅かった
・音程を下から強く持ち上げようとした
といったことが原因になっている場合があります。
そのため、苦手な音の1~2小節前から歌い始めてみましょう。
3段階でつなげる練習
1.苦手な音だけを軽く確認する
2.直前のフレーズから歌う
3.さらに前のブレス位置から歌う
例えば、サビの高音が苦手なら、高音だけを10回繰り返すのではなく、
Aメロの終わりやサビ前のブレスからつなげて練習します。
成功したときには、
「高音が出たか」だけでなく、
「高音に入る前に何をしていたか」
も確認しましょう。
5.歌詞あり・母音・ハミングを使い分ける
1曲通すと崩れる原因は、音程だけとは限りません。
歌詞の子音や母音が発声を難しくしていることもあります。
そこで、同じ区間を次の方法で歌い分けてみましょう。
ハミングで歌う
口を閉じて「んー」でメロディーをなぞります。
強く鼻へ押し込まず、楽に声が続く音量で行いましょう。
母音だけで歌う
歌詞から子音を外し、「あ・い・う・え・お」の母音を中心に歌います。
どの言葉で口や舌が固まりやすいかを確認しやすくなります。
歌詞をつけて歌う
最後に元の歌詞へ戻します。
ハミングや母音では歌えるのに、歌詞をつけた途端に崩れる場合は、
発音の仕方や口の動かし方が影響している可能性があります。
ただし、ハミングで違和感や圧迫感がある場合は、無理に続けないようにしましょう。
6.毎回100%で通さない
1曲を安定させたいからといって、
毎回フルパワーで何度も歌う必要はありません。
例えば、次のように歌い方を変えることができます。
1回目:確認する通し
声量を抑え、ブレス位置、音程、歌詞、力みを確認します。
2回目:区間練習
崩れた場所と、その少し前を練習します。
3回目:本番を想定した通し
曲の強弱や表現をつけながら歌います。
このように、1回ごとに目的を変えると、
ただ同じ失敗を繰り返す練習になりにくくなります。
歌唱は練習量だけでなく、何を確認するのかを決めて練習することも重要です。
7.録音すると「崩れ始めた場所」が分かる
歌っている本人は、最後に失敗した場所ばかりを気にしがちです。
しかし、録音を聴いてみると、実際にはもっと
前から変化が始まっていることがあります。
例えば、
・1番のサビから音程が少し上ずっている
・2番に入った頃から声が大きくなっている
・高音の前から呼吸音が大きくなっている
・曲の後半でテンポが走っている
・最後のサビだけでなく、中盤から声が硬くなっている
といったことです。
スマートフォンで録音し、次の3点だけを確認してみましょう。
1.最初に違和感が出た場所
2.声量が急に変わった場所
3.ブレスが慌ただしくなった場所
一度に音程、リズム、発音、表現のすべてを直そうとすると
混乱しやすいため、1回の録音につき一つの項目を
確認するのがおすすめです。
自宅でできる15分練習メニュー
最後に、1曲を安定させるための練習例をご紹介します。
1~2分:軽い準備
肩や首を無理のない範囲で動かし、
楽な音量でハミングやリップロールを行います。
3分:歌詞とブレスの確認
曲に合わせて歌詞を読み、息を吸う位置を確認します。
4分:苦手な場所と直前の練習
苦手な音だけではなく、1~2小節前からつなげます。
3分:中盤から後半を歌う
疲れやすい後半を、少し前の区間から歌います。
3分:声量を抑えて1曲通す
70%程度の声量で、ブレスとペース配分を確認します。
毎日必ずフルパワーで歌うのではなく、
の状態に合わせて時間や音量を調整してください。
声が疲れたときは無理をしない
練習中に、
・声がかすれる
・喉に痛みがある
・普段より声が出しにくい
・話し声まで変わっている
・歌うほど違和感が強くなる
といった状態が出たときは、無理に通し練習を続けないことが大切です。
水分補給や休息を取り、叫ぶような発声や騒音の中での
大声も避けましょう。
声の変化が長く続く場合や、痛みを伴う場合は、
耳鼻咽喉科などの医療機関へ相談してください。
部分練習では歌えるのに、1曲通すと崩れてしまう場合、
問題があるのは最後に失敗した音だけとは限りません。
・前半で声を使いすぎていないか
・ブレス位置を決めているか
・苦手な場所の前から力んでいないか
・中盤から後半をつなげて練習しているか
・毎回全力で通していないか
を確認してみましょう。
部分練習で一つひとつの技術を整えたら、
次はそれらを曲の流れの中でつなげていくことが必要です。
「歌える部分を増やす」だけでなく、
良い状態を最後まで運ぶ練習を取り入れることで、
1曲全体の安定感も少しずつ変わっていきます。
ぜひ、普段練習している曲で試してみてくださいね!
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