こんにちは!ナユタス堺東校です😊
宇多田ヒカルさんの歌を聴いていると、「歌っている」というより、
そのまま言葉を語りかけられているように感じることはありませんか?
もちろん音程はしっかりありますし、メロディーも決して単純ではありません。
それでも、いかにも「歌っています」という力みを感じにくく、
言葉が自然に耳へ入ってきます。
この独特の歌い方には、声質だけではなく
発音・リズム・フレージングが深く関係しています。
今回は「First Love」「Automatic」「Flavor Of Life」「One Last Kiss」
なども参考にしながら、宇多田ヒカルさんの歌がなぜ
“話しているように” 自然に聴こえるのか、ボイトレ目線で考えてみましょう!
宇多田ヒカルは「歌の発音」になりすぎない
歌を習い始めると、
「歌詞をしっかり発音しよう」
「一音一音きれいに歌おう」
と意識することがあります。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ、すべての文字を同じようにはっきり発音すると、
曲によっては言葉が一文字ずつ分離して聞こえてしまうことがあります。
宇多田ヒカルさんの歌には、その逆の面白さがあります。
言葉がメロディーに乗っていても、日常会話のような自然な流れが残っているのです。
例えば誰かと話すとき、
「わ・た・し・は」
と一文字ずつ均等には発音しませんよね。
強く発音する部分もあれば、軽く流れる部分もあります。
宇多田ヒカルさんの歌には、こうした会話に近い言葉の強弱が感じられます。
だからメロディーがあっても、言葉そのものが生きて聞こえるのでしょう。
「Automatic」は歌詞より先に“リズム”を聴くと面白い
デビュー曲「Automatic」は、宇多田ヒカルさんのリズム感を感じやすい楽曲の一つです。
この曲を歌おうとすると、音程だけを覚えてもなかなか原曲の雰囲気になりません。
理由の一つが、言葉を置くタイミングです。
メロディーを正確に追いかけるだけではなく
ビートの中で言葉がどこに入っているのかを感じる必要があります。
これは「リズムに合わせて歌う」というより、
リズムの中で話している
と考えると少し分かりやすいかもしれません。
例えば同じ文章でも、早口で話すときと
ゆっくり話すときでは言葉の強弱や間が変わります。
宇多田ヒカルさんの歌唱には、その会話的なリズム感が自然に音楽へ溶け込んでいます。
「First Love」は大声で歌わないからこそ切ない
「First Love」というと、美しいメロディーと切ない歌声が印象的ですよね。
カラオケで歌うと、サビに向かって感情を込めようとするあまり、
つい声量を上げたくなる曲でもあります。
しかし、この曲の魅力は単純な「声の強さ」だけではありません。
むしろ、少し息を感じる声や、言葉を置くような歌い方があることで、
誰かに直接気持ちを話しているような距離感が生まれます。
もし最初から最後まで朗々と歌い上げたら
同じメロディーでもかなり印象が変わるでしょう。
切ない曲だから大げさに切なく歌うのではなく、あえて抑えた表現を残す。
その結果、聴く側が感情を想像できる余白が生まれています。
宇多田ヒカルは「語尾」が面白い
宇多田ヒカルさんの歌を聴くとき、ぜひ注目してほしいのがフレーズの終わり方です。
歌が平坦に聞こえてしまう人には、
すべての語尾を同じように処理してしまう傾向があります。
毎回しっかり伸ばす。毎回きれいに切る。毎回同じ強さで終わる。
これでは、文章でいえばすべての文末に同じ句読点が付いているようなものです。
一方、自然な会話では、
少し言葉を残したり、スッと終わったり、最後だけ声が小さくなったりします。
宇多田ヒカルさんの歌にも、こうした語尾の表情があります。
フレーズの最後まで100%同じ声量で歌い切らないからこそ、
次の言葉へ自然につながっていくのです。
「Flavor Of Life」は“間”まで歌になっている
「Flavor Of Life」を聴いていると、
メロディーだけでは説明できない独特の余韻があります。
その理由を考えるときに重要なのが、言葉と言葉の間です。
歌というと、どうしても「声を出しているところ」に注目してしまいます。
でも実際には、歌わない時間も表現の一部。
フレーズを歌い終わったあとにほんの少し余白があるだけで直前の言葉が耳に残ります。
これは会話にも似ています。
大切なことを言ったあと、すぐ次の話題へ進むより
一瞬黙った方がその言葉が印象に残ることがありますよね。
宇多田ヒカルさんの歌が語りかけるように感じられるのは、
音だけではなく沈黙まで含めてフレーズを作っているように感じられることも
理由の一つでしょう。
日本語と英語、両方の感覚が歌のリズムにも表れている?
宇多田ヒカルさんの楽曲では、日本語の中に英語が自然に入ってくることがあります。
ここで面白いのが、日本語と英語では言葉のリズムの感じ方が異なることです。
日本語は一つひとつの音が比較的均等に並びやすい一方、英語では強く読む部分と弱く読む部分の差が大きくなります。
宇多田ヒカルさんの歌唱を聴いていると、
日本語でもすべての文字を均等に扱うのではなく
言葉の中に強弱を作りながらリズムへ乗せているように感じられる場面があります。
そのため、日本語の歌でありながら独特のグルーヴが生まれる。
「発音がきれい」というより、発音そのものがリズムになっていると考えると
宇多田ヒカルさんらしさが少し見えてきます。
「One Last Kiss」は“歌い上げない”ことが魅力になる
「One Last Kiss」も、今回のテーマを考えるうえで面白い一曲です。
壮大な世界観を持つ楽曲ですが
ボーカルまで常に壮大に歌い上げているわけではありません。
むしろ淡々と感じる瞬間があります。
それなのに、聴いているうちに感情がどんどん大きくなっていく。
ここに、宇多田ヒカルさんの歌唱の面白さがあります。
歌詞の感情が大きいからといって、声まで必ず大きくする必要はありません。
例えば悲しい言葉を、泣き叫ぶように歌う方法もあれば
静かに話すように歌う方法もあります。
後者の方が、かえって切なさを感じることもありますよね。
「感情を込める=感情を大きく見せる」ではない。
宇多田ヒカルさんの歌は、そのことをよく感じさせてくれます。
宇多田ヒカルの曲を歌うなら、まず「普通に話してみる」
宇多田ヒカルさんの曲を歌っていて、
「音程は合っているのに、それっぽくならない」
と感じたら、一度メロディーから離れてみるのもおすすめです。
例えば歌いたいフレーズを、誰かに伝えるつもりで普通に話してみます。
すると、自分が自然に強く発音する言葉や、
少し速くなるところ、逆に間を取るところが見えてきます。
その「話したときの自然さ」を完全に消さずにメロディーへ戻してみる。
すると、それまで全部同じ強さだった歌詞に変化が生まれます。
もちろん、宇多田ヒカルさんとまったく同じ発音やリズムにする必要はありません。
大切なのは、
「正しく歌う」ことだけに集中して、自分の自然な言葉まで失っていないか?
と考えてみることです。
これは宇多田ヒカルさんの楽曲に限らず、J-POP全般で使える考え方です。
まとめ|“話すように歌う”とは、適当に歌うことではない
宇多田ヒカルさんの歌が自然に聴こえる理由を考えてみると
単純に「力を抜いて歌っているから」ではないことが分かります。
言葉の発音に強弱があり、ビートの中で独特の位置に言葉が置かれ、
フレーズの始まりから語尾まで細かな変化がある。
そして、ときには歌わない「間」まで表現として使われています。
だからこそ、複雑なメロディーを歌っていても
私たちには一人の人が目の前で話しているように自然に届くのかもしれません。
歌を練習していると、音程や高音ばかり気になりがちです。
でも、
「音程は合っているのになぜか棒読みっぽい」
「もっと自然に歌詞を伝えたい」
「宇多田ヒカルさんのように力まず歌いたい」
という方は、発音・リズム・フレージングにも目を向けてみてください。
NAYUTAS堺東校では、マンツーマンのボイストレーニングを行っています。
発声や音程だけではなく、好きな曲を使いながら、言葉の伝え方やリズム、強弱、フレージングなども一人ひとりの声に合わせて練習できます。
「上手く歌う」から、「自分の言葉として歌う」へ。
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