こんにちは!ナユタス堺東校です😊
藤井 風さんの歌を聴いていると、
「難しそうな曲なのに、なぜこんなに自然に歌えるんだろう?」
と感じることはありませんか?
力いっぱい声を張っているようには聴こえないのに、歌声にはしっかり存在感がある。
さらに「きらり」「まつり」「Workin’ Hard」などでは
歌っているというより、音楽の上を軽やかに言葉が流れていくような感覚もあります。
実はこの「力んでいない感じ」は
単純に小さな声で歌っているから生まれているわけではありません。
今回は藤井 風さんの“歌い方そのもの”に注目!
特に、
リズム
フレージング
脱力
という3つのポイントから、なぜ藤井 風さんの歌があれほど自然に聴こえるのか
ボイトレ目線で掘り下げてみます!
そもそも藤井 風さん自身が「脱力」を意識していた!
まず非常に興味深いのが
藤井 風さん本人が歌唱について「脱力」をキーワードとして挙げていることです。
「Workin’ Hard」について語ったインタビューでは、「まつり」以降
力を抜き、自分自身がリラックスした状態で
そのムードを聴き手にも伝えることを大切にしていると話しています。
つまり、
「藤井 風さんは力んでいないように聴こえる」
という印象は、単なる偶然ではないんですね。
実際に本人も「脱力」を歌唱表現の一つとして意識しているわけです。
では、その脱力感は歌の中でどのように表れているのでしょうか?
① リズムに「乗る」のがとにかく上手い
藤井 風さんの歌を分析するとき、まず注目したいのがリズムです。
歌が上手いというと、
「音程が正確」
「高音が出る」
「声量がある」
といったところに注目しがちですが、藤井 風さんの場合は
言葉そのものがリズムの一部になっているように聴こえるのが特徴です。
専門的な歌声分析でも、藤井さんは基本的に曲のリズムに対して音を的確に置きつつ
一拍・半拍置いて歌い始めたり、フレーズを短く切り上げたりするアプローチが指摘されています。
つまり、メロディをただ、
「正しいタイミングで正しい音程を歌う」
だけではないんですね。
「何なんw」は言葉そのものがリズムになる
分かりやすい例が「何なんw」。
この曲では岡山弁を含めた独特な言葉の響きが
そのまま楽曲のグルーヴにつながっています。
特に「ん」の扱い方が特徴的で、
すべての文字を同じようにはっきり発音するのではなく
あえて弱くしたり、ほとんど発音しなかったり、逆に強調したりと変化させています。
その結果、
言葉を伝える+リズムを作る
という二つの役割を歌声が担っています。
これは藤井 風さんの歌を歌うときにも重要なポイントです。
歌詞を一文字ずつ丁寧に発音しすぎると、音程は合っていても
藤井 風さんらしい軽やかなグルーヴが出にくくなることがあります。
② フレーズを「全部同じ強さ」で歌わない
次に注目したいのがフレージングです。
フレージングとは簡単にいうと、
「一つの歌の流れをどう区切り、どう表現するか」
ということ。
例えば同じメロディでも、
どこを強くするか
どこを弱くするか
どこで息を抜くか
どこまで音を伸ばすか
どこで言葉を切るか
によって、聴こえ方は大きく変わります。
藤井 風さんの歌では、
すべての言葉を同じ音量・同じ発音で並べているわけではありません。
むしろ、必要な言葉だけを立たせ、それ以外をスッと抜くような歌い方が随所に見られます。
この「抜く」があるからこそ、強く歌った部分もより印象的に聴こえるんですね。
③ 「きらり」は語尾の抜き方にも注目!
「きらり」を聴くと、この特徴が分かりやすいです。
歌声分析では、「きらり」に多く登場する「い」の母音について
リズムを崩さないよう余韻の長さを細かくコントロールしていることが指摘されています。
ここが面白いところです。
歌を習い始めると、
「最後までしっかり声を出そう!」
と考えてしまうことがあります。
もちろん必要な場面もあります。
でも、すべての語尾を同じようにしっかり伸ばすと
曲によっては重たく聴こえてしまいます。
藤井 風さんの場合は、
伸ばす
↓
抜く
↓
短く切る
↓
次の言葉へ
といった変化があるため、歌に余白が生まれます。
この「余白」も、力んで聴こえない理由の一つでしょう。
④ 息を混ぜた声も「脱力感」を作っている
もう一つ注目したいのが、ブレスを含んだ歌声です。
2025年の『Prema』を中心とした歌声分析でも
「きらり」以降の藤井さんについて、喉に過度な力を入れず
ブレスを混ぜた歌い方が多く見られると分析されています。
ただし、
「息をたくさん漏らせば藤井 風っぽくなる」
という意味ではありません。
藤井さんの場合は、息の量だけでなく、
音量を徐々に変える
鼻腔方向へ抜けるようなニュアンスを作る
短く切る
吐息に近い弱音にする
など、さまざまな声の表情を使い分けています。
つまり「脱力した声」も一種類ではないんですね。
⑤ 「歌声を楽器の一つ」として聴くと面白い
藤井 風さんの歌を聴くときに、ぜひ一度試してほしい聴き方があります。
それが、
「歌詞を追わず、声を一つの楽器だと思って聴く」
こと。
藤井さんの歌唱については、
歌声をトラックの一部として溶け込ませるようなボーカル設計も指摘されています。
例えば、
ドラムが「タン・タン」と鳴る
ベースが「ドゥン・ドゥン」と鳴る
のと同じように、
声もリズムや音色を作る一つの楽器
として聴いてみます。
すると、
「ここ、言葉をかなり短く切ってる!」
「ここだけ少し遅れて入っている!」
「語尾をほとんど残していない!」
など、今まで気づかなかった歌い方が見えてきます。
⑥ 「脱力=何もしない」ではない!
ここは、藤井 風さんの歌い方を真似するときに特に注意したいポイントです。
藤井さんの歌を聴いて、
「力を抜けばいいんだ!」
と思って、ただフニャッと歌ってしまうのは少し違います。
歌唱における脱力は、
必要な力まで全部なくすことではありません。
姿勢を保つ。
息をコントロールする。
声帯を適切に働かせる。
音程を取る。
リズムをキープする。
こうした歌唱に必要な働きは残しながら、
首・顎・舌などに余計な緊張を作りすぎないことが大切です。
つまり、
「力を使わない」のではなく「余計な力を使わない」
というイメージです。
藤井 風さんっぽく歌いたいなら「大声」よりリズムを練習してみよう!
藤井 風さんの曲を練習するとき、
「本人と同じ声を出そう!」
と考える必要はありません。
むしろ最初におすすめしたいのが、歌わずに歌詞をリズムに合わせて読むことです。
例えば、
① 曲を流して歌詞を普通に読む
↓
② 原曲の言葉のタイミングを真似して読む
↓
③ 強い言葉・弱い言葉を確認する
↓
④ 語尾をどこまで伸ばしているか聴く
↓
⑤ そこに音程をつけて歌う
という順番です。
いきなり声色を真似するよりも、
「どこに言葉を置いているか?」
をコピーした方が、藤井 風さんの楽曲らしいグルーヴを感じやすくなるでしょう。
「きらり」「まつり」「Workin’ Hard」を聴き比べてみよう!
今回のテーマで特におすすめしたいのが、この3曲の聴き比べです。
「きらり」
語尾・母音の抜き方と軽快なリズムに注目。
力強く歌い上げるというより、次々と言葉が流れていく感覚を聴いてみましょう。
「まつり」
藤井 風さん本人が、その後の歌唱における「脱力」につながった作品として挙げています。
声を張り続けなくても、リズムやニュアンスによって存在感を出せることが分かります。
「Workin’ Hard」
歌とラップの境目が曖昧になるようなフロウにも注目です。
藤井さん自身がこの曲について、リラックスしたムードを聴き手へ伝えることを大切にしたと語っています。
3曲を続けて聴くと、「脱力=ずっと同じ柔らかい声で歌うことではない」ことも分かりやすいと思います。
「上手く歌おう」としすぎると、逆に力んでしまうことも
歌の練習をしていると、
「音程を絶対外さないように!」
「高音をしっかり出さないと!」
「もっと声量を出さないと!」
と、一つひとつを意識しすぎてしまうことがあります。
その結果、
肩が上がる
顎に力が入る
喉周辺が固くなる
全部の音を強く歌ってしまう
といった状態になることも。
藤井 風さんの歌唱から学べるのは
「歌唱力=どれだけ力強く歌えるか」ではないということではないでしょうか。
ボイストレーナーによる分析でも、藤井さんは音域や声量を持ちながら
楽曲によってあえて感情表現を抑えた歌い方など、
ニュアンスを変えることに長けていると評されています。
出せるけれど、あえて出しすぎない。
これも立派な歌唱表現なんですね。
まとめ|藤井 風さんの「自然さ」は技術の組み合わせ!
藤井 風さんの歌が力んでいないように聴こえる背景には、
単に「リラックスして歌っている」だけではなく
リズムへの言葉の乗せ方
フレーズの強弱
語尾や母音の抜き方
ブレスを含んだ声の使い分け
声を楽器のように扱う感覚
そして本人も大切にしている「脱力」など、さまざまな要素があります。
藤井 風さんの曲を次に聴くときは、高音や声質だけではなく、
「どの言葉を強く歌っている?」
「どこで声を抜いている?」
「リズムのどこに言葉を置いている?」
というところにも注目してみてください。
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